仕事がある日、目が覚めた時から気分がひどく落ち込み、体調が悪くなり欠勤してしまうが休日は活発に活動することができる方がいます。一見すると仕事が嫌いなただの怠け癖がついている方に見えます。ですが、これは歴とした「うつ病」です。従来のうつ病は、仕事がある時も休日であっても、さらには自分が好きなことをすることですらやる気が出ず、常に気分が沈みがちになるという症状がよくみられました。一般的にうつ病といえば、このような症状をイメージする方も多いのではないでしょうか。しかし、近年多くみられるのはこのような症状とは一線を画する症状を有するうつ病です。従来のタイプを「定型うつ病」と呼ぶのに対し、「非定型うつ病」と呼ばれています。従来型のうつ病と比較して、「新型うつ病」という呼び方をすることもあります。従来型のうつ病と新型うつ病では、その症状だけではなく、効果的な治療法も異なります。従来のうつ病の場合、休息と抗うつ剤による治療が有効でした。一方新型うつ病の場合には、従来のうつ病のような対処方はあまり有効ではなく、主に精神療法を用いて治療を行います。そしてその治療のサポートとして薬による治療を行います。また休息をとるのではなく、できる限り仕事を続けるよう医師からいわれることもあるでしょう。新型うつ病の治療には、人と関わり、社会生活を送ることや、正しい生活リズムを作ることが非常に重要です。そのため、医師からは仕事をすることを推奨されます。外での仕事が難しい場合には、在宅での仕事や家事などでも構いません。起床時刻や就寝時刻を決め、運動や仕事など、一日のスケジュールを組み立て、規則正しい生活を送ることができるようにしましょう。そしてできる限りそのスケジュール通りに動きます。これを行うことで自然と規則的な生活を送ることが可能になり、うつの症状も不思議とよくなることがあります。さらに、その日一日の記録を付けることもおすすめします。簡単にでも構いませんので、日記をつけることで一日の予定に対してどの程度達成することができたか、または反省点などを確認することができますし、より高度な目標を掲げ、前向きになることができる可能性も高まります。小さなことからで構いません。一日一日の目標を持ち、それに向かって励む姿勢をとることで自然と考え方も前向きになり、うつの症状も軽減していく可能性があります。一人では難しい場合には、ご家族の方と一緒に目標を立てることも良いでしょう。
新型うつ病は、比較的若い20代の男女に見られる病気で、仕事や人間関係のストレス、親子や兄弟姉妹の間に不和があると、発症しやすい傾向があります。過眠や過食気味になったり、コーヒーやお酒、たばこ、ギャンブルなどに依存しがちな人もあります。
うつ病と新型うつ病の違いは、自身がしたいことはでき、したくないときに症状が現れることがあります。そのため人から勘違いされることがありますが、無理をせず症状などについて事前に確認し、医師の指示を守って治療を受けることをお勧めします。
新型うつ病はうつ病とも症状が異なります。症状からすると周囲から理解を得られることが難しいこともあります。そのことから治療についてもステップが異なります。周囲が理解を示す必要もありますが、本人も治すという意志を持つことが重要です。